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2023年産1歳募集馬レポート①

募集馬情報


①アビーム23 負傷していた左前肢肩付近には、まだほんのわずかな違和感が残っているようだが、獣医師や装蹄師など専門家の意見を聞いて、放牧を再開している。村上欽哉牧場社長によると、「走るフォームに問題はありませんし、痛みもありません。ただ、急停止した際にほんの少し歩様のぎこちなさが残っているので、継続して治療を行なっている状態です」との事だ。静養中は運動制限して身体をほとんど動かしていなかったにもかかわらず、身体のラインは崩れていないし、皮膚も薄いまま。負傷前と変わらぬほれぼれするような馬っぷりを保っており、本馬の持って生まれた体質がいかに優れているかをうかがわせる。取材当日は2頭で比較的狭い放牧地に放されていた。僚馬があまり動き回らずに大人しくしている一方、走り回って興奮したのか、相棒に後ろから乗りかろうとして何度か仕返しにあう姿を目撃し、思わず笑ってしまった。あり余るほど元気であり、しなやかで美しい走行フォームも変わらない本馬の、違和感が皆無となる完全回復が1日でも早くくる事を祈りたい。

 



②サトノジャスミン23 本馬を語るうえで、全姉であるゴージャスことサトノジャスミン22との比較は欠かせない。村上欽哉牧場社長も、本馬の馬体について「お姉さんのこの時期と比較すると身体の筋肉にメリハリがあって浮き出ています。骨も太くて、ひと回りがっちりとした感じですね」と評する。加えて「同時期の姉より常歩の歩様が柔らかめで、踏み込みが深いのも特徴的です」と教えてくれた。放牧地を駆け回る際も、飛び跳ねたり急角度のターンを披露して、強靭なバネや体幹の強さをまざまざと見せつける様子が実に頼もしい。「姉よりもやんちゃで牡馬っぽい感じ」と評する気性を実感させる、躍動感にあふれた動きを見せてくれた。「母は身体が小さく、デビューまでに時間を要しましたが、産駒は母よりもしっかりとした馬体に出て、体質も強い印象です。この仔も、よりしっかりとした成長を見せています」と満足げにしめくくってくれた。馬格や骨量、筋肉の発達度合いが十二分にある本馬ならば、この7月にトレセンへ入厩したゴージャスのように、2歳の早期デビューを果たしてくれる事だろう。

 



③カツンダモン23 浦河町のグランデファーム本場へ移動して早くも騎乗馴致を終え、再び分場へ戻ってきた本馬は、わずか1カ月で、とても同じ馬だと思えないほどたくましくなった。「さほど大きくはないですが、馴致の前後で著しい馬体成長が見られ、急激にしっかりとしてきました」と、嬉しそうにグランデファーム社長が笑う。精神面においても「身体が小さかったからか、他馬に対して控えめでどちらかと言うと目立たない馬だったけど、気性面も急成長して、今では放牧地で仲間を追いかけ回すようになりました」という。その言葉通り、馬群を悠々と走り抜ける本馬は仲間をあおるほどだ。立ち止まって見せた表情も、まだあどけなさの残る少年から、精悍な男らしさに変わっている。社長が「騎乗馴致開始当初は、慣れない事に驚いて飛び跳ねたりしていましたが、その時に見せた動きに、強いバネを感じられました。父の父ステイゴールドを彷彿させるかのような馬体と気性に成長してきました」と総括してくれた本馬は、これからも見る者を驚かせるような成長を見せてくれに違いない。 募集馬情報ページはこちら 出資予約ページはこちら

 



④ファーストチェア23 牝馬らしからぬたくましい馬体が充実の一途をたどっている。がっしりした首差しから発達した肩、そして胸前に続くラインにご注目いただきたい。力強く、重厚さすら漂わせる馬体からは、兄フルデプスリーダーのようにダート路線での活躍を期待する人も多いかもしれない。しかし、母の産駒は配合した種牡馬の特色が強く出る傾向があり、明らかにダート色が強いヘニーヒューズ産駒である兄とは違って、芝のクラシックディスタンスで活躍した父サートゥルナーリアのように芝路線での活躍が期待される。2019年のJRA最優秀3歳牡馬に輝いた父の初年度産駒は今年デビューを迎えており、7月末時点で出走した13頭中3頭が芝の2歳新馬勝ちを挙げた。全身を大きく使うしなやかな動きに加えて、軽やかな脚さばきが目をひく本馬も、きっとターフの上でこそ、持てる豊かな資質を発揮してくれる事だろう。専務は「やや深めの飛節の形は、この母系の特色でもあり、父サートゥルナーリアの特徴でもあります。父母に共通する骨格を受け継いでおり、近親アドマイヤムーンのような品のある顔立ちも魅力ですね」と結んでくれた。 募集馬情報ページはこちら 出資予約ページはこちら

 



⑤フルマークス23 レイデオロ産駒、特に牝馬の場合は、骨量がもの足らず、身体の線が細い仔が多いという印象だ。そのあたりが、活躍馬が少ない原因ではないかと分析している。しかし、以前に松浦牧場社長が「しっかりと幅があり、骨太で頑丈な馬体」と評していたように、本馬は一般的なレイデオロの牝駒とは異なり、豊かな骨量と雄大な馬格を誇っているのだ。本誌7月号掲載の写真と、本稿の写真を見比べると、その特徴がより顕著になってきている事がお判りいただけるだろう。撮影当日の強い日差しを受け、毛ヅヤの良さも際立っている。精神面は、僚馬に対してやや攻撃的なほど活発だが、レイデオロ産駒にありがちな後ろ向きな性格をしておらず、前向きなところが実に頼もしい。管理予定の中竹師もレイデオロが現役時代の競走内容を高く評価しており、「産駒の成績は年々上がってくるはず」と、配合の工夫や産駒の扱い方で改善されていくと予測している。現在の本馬を見るとすでに改善傾向がうかがえるし、今後の育成で素質が磨かれて、同師の思惑通りの成長を見せてくれるはずだ。 募集馬情報ページはこちら 出資予約ページはこちら

 



⑥デフィニール23 川島牧場で元気一杯に駆け回る姿を久々に見せてもらったが、今年の春に受けたOCD(軟骨剥離)手術の影響はまったく見られない。飼葉食いの良さと豊富な運動量が相まって、牝馬としては恵まれた馬体がさらにボリュームアップし、素晴らしい毛ヅヤを見せている。カメラ目線でたたずむ写真をご覧いただければ一目瞭然だが、同じ放牧地にいる僚馬よりひと回りもふた回りも大きな骨格なのだ。本馬を管理予定の矢野(英)師は「かなり立派な馬体になり、大物感たっぷりに成長しています」と喜んでいる。川島牧場社長も「育成場へ移動してからの強制運動や環境変化によるストレスへ対応するのにちょうどよい身体つきだと思います」と目を細めた。さらに、「立派な馬格を誇っていても、僚馬をいじめたりしない優しい性格です」と教えてくれた。8月下旬には浦河町のシュウジデイファームへ移動して騎乗馴致を開始しているが、そんな性格の本馬ならば、育成牧場はもちろん行く先々でスタッフから可愛がってもらい、「気は優しくて能力(ちから)持ち」な競走馬に成長してくれる事だろう。 募集馬情報ページはこちら 出資予約ページはこちら

 



⑦アドマイヤカグラ23 美しいボディライン、いかにも体脂肪率が低そうなアスリート体形、薄い皮膚を通して浮かび上がる筋肉の盛り上がりなどの特徴が、1歳の夏を越してより一層目立つようになってきた。新冠橋本牧場社長が「見るたびに馬が変わってくる成長を続けています。背が伸びたり、お尻が急激に大きくなったりと、パーツパーツの変化が大きいものの、馬体全体のバランスはあまり変わりません」と話すように、若駒としてはまれな、独特の成長を見せている。8月中旬には早くも新冠町のパッショーネへ移動して競走馬へのステップを踏み出した。本馬を管理予定の杉山(佳)師も、「馬がずいぶん良くなり、楽しみがさらに大きくなりました。馬がしっかりしているので、すでに騎乗馴致に入っているし、早い時期から使いだせそうです。目標は函館2歳ステークスです」とヒートアップ。当クラブ所属で同師が管理した姉ローレルアイリスは、「さあ、これから」というときに悲しいアクシデントに見舞われた。しかし、今や当クラブのエースになりつつある杉山(佳)厩舎が、本馬の活躍で姉の無念を晴らしてくれるに違いない。 募集馬情報ページはこちら 出資予約ページはこちら