LAUREL CLUB  
  ハイチーズ(チーズマヨ15)スペシャルレポート  
  何もしなくても、というわけではもちろんないが、人間の予測や思惑をはるかに超えるスピードで競走馬への階段を駆け上がっていく馬がいる。ハイチーズも、そんな1頭かもしれない。2017年3月。昨年の8月以来7カ月ぶりに会った同馬は、ずいぶんと大人びて見えた。具体的に言うならば体全体に力強さが出た反面、引き締まってシャープになった。以前に比べればクビも伸びたような気がする。乗り込まれているから、と言ってしまえばそれまでだが、良化度合が同じメニューを組まれている他の馬と違う。冬の陽射しにまぶしく光る毛ヅヤは、まるで数カ月前の世界からタイムスリップしてきたかのような印象すら受ける。この日は、吉澤ステーブル本場内にある屋内周回コースで左右両手前の速歩約2000mで体をほぐした後、BTC軽種馬育成調教センターへ移動して屋内600mのダートトラックコースをキャンターで5周。その後、屋内坂路で15-15へというハードメニューだ。入厩したばかりの頃は、与えられたメニューをしっかりとこなす真面目さゆえに疲労がたまり易かったことがウソのように頼もしい。ウォーキングマシンで準備運動を行なっていた本馬を馬房へ戻し、この日に手綱を取る川崎清貴さんが、馬装に入る。背中に鞍を置いてハミをかける。腹帯をグッと締めるとスイッチが入ったかのように目に力がこもる馬もいるのだが、意に介さずとばかりに変化がない。「たまにピリッとしたところを見せるけれども、普段は本当におとなしい馬。調教中の操作も楽で、思い通りの調教ができる」というのが現状でのセールスポイントらしい。そういえば、昨年9月に生まれ故郷を離れて移動してきた時も環境の変化にほとんど動じることなく、「順応性の高い馬」とスタッフの中で評判になっていた。今後、美浦トレ―ニングセンターに移動し、競馬場でデビューすることを考えたとき、こうした気性は大きな武器になりそうだ。吉澤ステーブルの特徴ともいえる多頭数調教で、この日の調教パートナーは12頭。ステーブル全体では調教進度が速い方のグループだそうだ。ネックストレッチバンドを装着したこともあって、後ろ脚の踏み込みが深く、連動するように肩の出もスムーズだ。もうすぐ500kgにならんとする身体全体を使った大きな完歩も、スケールの大きさを感じさせる。パワーが求められる屋内トラックコースの深いダートではかき込むようなフォームでしっかりと砂をつかみ、スピードが要求される坂路ではブレることなくまっすぐに駆け上がってくる。「今の段階で時計は問題ではないけれども坂路を上がってくるときの手応えは楽だった。(出そうと思えば)もっとやれたけれども、今の段階では正しいフォームでしっかりと走らせることが大切。収穫のある調教内容だった」と川崎さんの表情が明るい。今後は、4月中旬に行われる産地馬体検査を受け、早めに美浦トレーニングセンターへと移動するプランも持ち上がっている。「現段階で芝・ダートの適性は判断しかねますが、折り合いに不安がある馬ではないので、距離に対する融通性は高いでしょう。長く良い脚を使えるタイプの競走馬だと思います」と高い評価を与えたうえで、「最終的に決めるのは調教師の先生ですが、早い時期から使いだせるように指示があったときは、それに対応できるようにしっかりと準備をしたいと思います」と表情を引き締めた。
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