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  ダンケシェーン(ゼフィランサス15)スペシャルレポート  
  ダンケシェーン。ドイツ語で「ありがとう」を意味する名を付けられたこの栗毛馬は、昨年10月から北海道のファンタストクラブで育成に入り、早期デビューに向けて順調に調教を積まれている。午前8時30分。調教がスタートする時間になると、広大な敷地内に点在する厩舎から馬が集まってくる。その数およそ30頭。大勢の騎乗スタッフを抱える同育成牧場だからこそできる育成スタイルで、30頭が1度に角馬場に入るさまは壮観だ。馬同士の間隔が狭いので暴れることはできないし、精神面の鍛錬にもなりそうだ。当日のメニューは、角馬場で体をほぐしたあと、屋内ダートトラック1200mと屋内坂路を1本というもの。時計にすればハロン18秒前後だろうか。特徴的なのは、明け2歳の2月という時期にもかかわらずに単走で駆けあがって行くということ。これは、精神的によほど大人びていないとできない芸当だ。まっすぐに、そして力強く駆けあがるダンケシェーンは迫力十分だ。ひとつだけ残念だったのは、前を行く馬とのスピードに差がありすぎたこと。十分に間隔をあけてスタートしたはずだったのだが、あっさりと追いついてしまい、早めにブレーキをかけなければならない状況になってしまったのだ。「馬の調子も凄く良いし、坂をあがって行くときに体幹がブレない。走りのバランスがよいから、どんどん加速する」というのは、手綱をとったヒンニョさん。フィリピンからの助っ人ライダーだ。前の馬との差が詰まっていくときに馬が勝手に反応して追い越そうとしたらしく、「普段は操作性に優れた馬ですが、この馬の闘争心にビックリしました」と話す。それでも、すぐに騎乗者の意図を組んでくれたらしく「He likes running!」と感心しきりだった。そんなヒンニョさん以上に満足そうだったのは、調教スタンドからその動きを見ていた後條雄作場長だった。「今の段階でこれだけ動ければ、十分。乗り込み量が増えて、気持ちも前向きになってきた。一生懸命に走るけど、ムキにならないところがセールスポイントかもしれない。距離の融通性もあるのではないかと思う」と高評価。加えて「ヘニーヒューズ産駒の2歳馬は何頭か預かっておりますが、どれもよく似た格好の馬が多い。その中でも動きは上位の存在」と太鼓判を押してくれた。その成長ぶりも素晴らしく、ぐっと胴が伸びた。腹袋にはしっかりと力強さが出てきて、体力・持久力を感じさせる馬体になってきた。骨が太くて筋肉質。角度によっては脚が短く見えるかもしれないが、それは後躯が厚みを増したから。重心の低いパワフルな走りを生み出す、スピード競馬に適した体型へと変わりつつある。「入厩してきたときが460kgで、現在は500kg近く。しっかりと乗り込まれながら体重が増えているのはよい事。いつごろデビューできるのかと聞かれたら今後の状況にもよるので具体的な答は出せませんが、調教師の先生から順調な馬はと聞かれたら、間違いなくリストに入る1頭」と口調も滑らかだ。やがて、坂路調教を終えて戻ってくる馬たちに対して場長が1頭ずつ指示を出す。「だいぶ良くなってきたな」「もっと手綱を短く持て」「あとで脚元をチェックしておけ」等々。人に対するときもあれば、馬に対するときもある。しかしダンケシェーンに対しては、うなずきながら歩様を見るだけというのが、順調さを物語る。
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